2008年5月 3日 (土)

ノリントンのブルックナー

最近聴いたディスクから。

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ブルックナー:交響曲第3番ニ短調(1873年第1稿)
シュトゥットガルト放送響
サー・ロジャー・ノリントン(指揮)
録音:2007年5月22日(デジタル)
録音場所:シュトゥットガルト・リーダーハレ、ベートーヴェンザール(ライヴ)

ブルックナーは同じ作品を何度も改訂しているため、原典と最終稿が全然違うなんていうことも珍しくない。第3番と第4番の第1稿は特に顕著。

第3番に関しては第1稿の楽譜を用いて演奏する指揮者が近年急激に増えておりノヴァーク版を凌いでいるようだ(録音での話し。コンサートではまだノヴァークが多いのかな?)。第3番の第1稿というと真っ先に思いつくのがエリアフ・インバル&フランクフルト放送響の初録音。これを初めて聴いた時の衝撃は今でも忘れられない。前衛的で過激なブルックナー。

先日購入したのがノリントン&シュトゥットガルト放送響の新譜。シュトゥットガルトのピリオド奏法のだいぶ板についてきたみたいで、不自然なところが全く無い。第1楽章と第4楽章のテンポ設定が非常に速いのだが、オケはしっかりとついていっている。第1楽章については速すぎるみたいでもう少しゆっくりしてもいいのではないかと思う。第2楽章のしっとりとした感触はなかなか心地よい(ワーグナーが嫌いなのでこの曲の何処がワーグナーなのかがいまだに分からない…)。第4楽章はなかなか激しい演奏で決めて欲しいと思うところがばっちり決まっており非常に力強い。一発ライヴの収録だが傷が無く、内容的にもよくまとまった演奏だと思う(第1稿特有の散漫さを上手く解消できたのではないだろうか)。

ノリントンの最近の録音はインスタントラーメンみたいなところがあって(1枚のCDを創るのにもう少し手をかけて欲しいと感じる。これは指揮者だけの問題では無いのだろうけど。ジャケットの写真もワンパターンだし…)、好きではなかったのだが、このディスクはそういう印象を抱かずに聴くことが出来る。

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2008年3月28日 (金)

ヒラリー・ハーンのシェーンベルク/シベリウス

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・シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調 op.47
・シェーンベルク:ヴァイオリン協奏曲 op.36
 ヒラリー・ハーン(ヴァイオリン)
 スウェーデン放送交響楽団
 エサ=ペッカ・サロネン(指揮)
 録音:2007年5月(シベリウス)、9月(シェーンベルク)、ストックホルム

昨日からこのディスクを何度も繰り返し聴いている。通勤中や昼休みも含めて。
シェーンベルクのヴァイオリン協奏曲は初めて聴くのだが非常に難解で何度聴いても理解が出来ない。記憶に残る、また聴きたいと思う旋律がなかなか見つからない。だけど、この演奏を繰り返し聴きたくなる。それはこの演奏が非常に優れているためなのだと思う。ヒラリー・ハーンのヴァイオリンは非常に緻密で丁寧。それを支えるオーケストラも非常に充実している。

シベリウスは最初聴いた時はあまり印象に残らなかった。しかし、シェーンベルクの協奏曲に続けてシベリウスを聴いて(ディスクではシェーンベルク→シベリウスの順序で収録されている)みたら、印象が変わってしまった。個人的には非常に優れたシベリウスだと思う。妙な脚色をしたりすることなく正攻法で丁寧に演奏されており、感情過多になることがない。これはシベリウスの作品を演奏する場合非常に重要なことだと思う。意外に線が太く、重心がしっかりとしたシベリウスだ。オーケストラの伴奏も見事。スウェーデン放送響ってこんなに重厚な音を出すオーケストラだったかな?と思うほど。

ネット上でこのディスクの評価について調べてみると実に様々。シェーンベルクについては好意的な批評が多いがシベリウスは素晴らしいと言う意見といまいちだという意見が半々くらい。期待しすぎたためということもあるのかもしれない。私はハーンらしさが非常によく表れたよい演奏だと思うのだが…。

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2007年12月25日 (火)

五嶋みどりさんのバッハ

午後から新宿をぶらぶら。人ごみの中に長い時間居たためか気分が少し悪くなる。3連休の最後でかつクリスマス・イヴということもあってか、何処に行っても人ばかり・・・。

五嶋みどりさんの新譜が発売された。バッハの無伴奏が入っていたので視聴をして即購入。全曲ではなく録音されているのはソナタの第2番のみ。カップリング曲はあまり好きではないバルトークのソナタ。

バッハのみ何度も繰り返して聞いているが、これはいい演奏だと思う。技術的なことはよく分からないが完成度は非常に高いのではないかと思う。特に陰影に富む緩徐楽章が素晴らしい。Andanteのあの独特の雰囲気は他の演奏をいろいろと聴いてみたがこの演奏が最も良いように感じられた。楽章を聞き終えるごとに唾を飲み込むようなそんな緊張感が終始持続される。

バルトークは苦手なのでやっぱりだめ。なぜこのような形で発売になったのかは分からないが、バッハで統一して欲しかった(わがままだけど)と思う。

バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番/バルトーク:ヴァイオリン・ソナタ第1番 バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番/バルトーク:ヴァイオリン・ソナタ第1番

アーティスト:五嶋みどり
販売元:ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
発売日:2007/12/19
Amazon.co.jpで詳細を確認する

**
明日から仕事だが出勤はあと4日しかない。まだ年賀状を書くことが出来ていないのだが、それ以前に無地のインクジェット対応用紙を入手するのに一苦労。それでも何とか置いてある店を見つけることが出来て予定枚数を確保することが出来た。

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2007年10月29日 (月)

シュタットフェルトのシューベルト

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■シューベルト/ピアノ・ソナタ第21番、第18番

(ピアノ)マルティン・シュタットフェルト

シューベルトが書いたピアノ・ソナタは名曲ぞろいだと思う。演奏時間が長く聞いていて退屈するという印象を持つ人も少なくないが、私はとても好きだ。特に後期の4曲(18番から21番)はどれも美しさと死への思いが隣り合わせになった深みのある名曲ばかりだと思う。

ゴールドベルク変奏曲などで話題になったマルティン・シュタットフェルトがシューベルトを録音した。作品は第21番と第18番。奇抜な演奏になるかと思っていたら、正統派の演奏で繊細かつ大胆にシューベルトの世界を表現していて素晴らしい演奏に仕上がっている。特に第18番の出来が素晴らしい。第1楽章の展開部など、非常によく練られた表現だと感じる。この演奏には、美しさと力強さと死に対する思いがしっかりと混在している。久しぶりに素晴らしい演奏に出会ったという印象。

仕上がりとしては18番の方が上ではないかと思う。CDでも18番の方を後に持ってきているところを見ると、想像ではあるが本人もこの作品に対して何か特別な思いを抱いているのかもしれない。

残念なのはどちらの作品も第1楽章のリピートが削除されていることだ。録音時間の関係でこういう選択をしたのか演奏者の考えなのかは分からないが、出来ることならリピートをして欲しかった。私にはこれらのリピートが単なる繰り返しには思えないからだ。

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2007年10月16日 (火)

ハイティンクのマーラー

■マーラー/交響曲第4番
指揮:ベルナルト・ハイティンク
管弦楽:ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団
ソプラノ:クリスティーネ・シェーファー
(録音:2006年11月7日 コンセルトヘボウ)

前半はあっさり目に淡々と進むのだが、自然体で演奏をしているため恣意的なところがないためマーラーの音楽が苦手な人でも受け入れやすいのではないだろうか。第3楽章が最も素晴らしく、美しい中にも死に対する恐怖が垣間見える絶妙な表現が聞き物。第4楽章も秀逸。録音がまた素晴らしい。コンセルトヘボウの残響は聴衆が入った状態の方が自然な感じになるのだということがこの演奏を聴くとよくわかる。聴衆のノイズは楽章の頭に少し存在を意識する程度で傷はほとんど無い。最近ではアバド/ベルリン・フィルやシャイー/ロイヤルコンセルトヘボウの組み合わせでこの作品を聞いているが、この演奏が最も馴染みやすく、繰り返し聴きたくなる。もう一度、このコンビでマーラーの全集を取り上げて欲しいなんていう無理な願望を抱きたくなってしまうのは私だけだろうか?。

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2007年2月25日 (日)

フレイレのブラームス

■ブラームス/ピアノ協奏曲第1番、第2番
ピアノ:ネルソン・フレイレ
指揮:リッカルド・シャイー
管弦楽:ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

このブラームスはいい!。

自然体なのだけど、懐が深くスケールの大きい演奏を繰り広げていると感じる。なにより、ブラームスの音楽が持つ独特の雰囲気が実によく醸し出されているのだ。安心して聞いていることが出来るし、聞いていてジワーッとこれらの作品が放つもの(よく分からない表現ですが・・・^^)が伝わってくる。このジワーッが得られる演奏というのは本当に決して多くない。

非常に高いテクニックを要求する音楽なのに、テクニックのことを聞き手に意識させること無く、音楽が持つ本来の姿をしっかり体感させてくれる稀な演奏だと思う。昨年ツィメルマンがラトルと共演して第1番を録音したが、残念ながらそのときは何も感じるものが無かった。テクニックは素晴らしかったが何を表現したいのかがさっぱり分からなくて困惑した覚えがある。

ブラームスのピアノ協奏曲はこれまではギレリス&ヨッフム(ベルリンフィル)とポリーニ&アバド(ベルリンフィル)のものばかり聴いて来たが、これからは頻繁に聞くことになるセットになると思う。

ゲヴァントハウスの演奏はマズアの頃と比べるとずいぶん変わったと思う。積極的で自発性が出てきた。DECCAの録音スタッフの影響もあるのかもしれないが、本来の音色を維持しつつもかなり開放的になってきたと思う。シャイーがゲヴァントハウスの音楽監督になると聞いたとき、この鈍重なオケをどれだけドライブできるかと心配したのだが、そんな心配は無用だった。今後このコンビでどんな作品が出てくるのかが非常に楽しみだ。

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2007年2月 4日 (日)

リッカルド・シャイーのシューマン

■シューマン/交響曲第2番&第4番(マーラー編曲版)
指揮:リッカルド・シャイー
管弦楽:ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

(英DECCA インターナショナルリリース) 

リッカルド・シャイーはロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団とシューマンの全集を完成させており、これが2度目の録音になる(はず)。前回は通常のスコアを用いて演奏されていたと思うが、今回はグスタフ・マーラーが手を加えた編曲版を採用している。最近は原典版や当時の演奏体系を踏襲した演奏が好まれる傾向が強く、マーラー編曲版を用いて演奏されるのは非常に珍しい。

まず、演奏についてだが、素晴らしい仕上がりと言っていいと思う。切れこみが鋭く高い集中力を終始維持しているという感じ。ゴツゴツとした響きはゲヴァントハウス特有のものだと思うが、決して鈍重な響きになることはなく反応は機敏で非常に力強い。シャイーの指揮も実に活き活きとしていてコンセルトヘボウ時代よりもストレートに音に反映しているように思う。シューマン特有のロマンティシズムが見事に再現されている。 

問題のマーラー編曲についてだが、聞いていただければ分かると思うが、決して原曲のイメージを変えてしまうような大きな改変はなされていないことがわかる。第2番の第1楽章を聞き始めたときは「どこが違うの?」と思ってしまったほどだ。いつもと違うと感じる部分についても、指揮者の指示で変わってしまったものなのかマーラーの編曲によるものなのか正直分からないところが多い。全体的にはマーラーの交響曲のように分厚い音響を作るのではなく、むしろ楽器間のバランスを意識して改変されたという印象(ここが想像と最も違っていた点。マーラーの交響曲のようになっていると思っていた。。。)。

通常のスコアを採用した方が良かったのではないかと感じる。編曲版を採用した目的がいまひとつ見えてこないのだ。シャイーのシューマンの作品に対するアプローチが間違っているとか変だと言っているのではない。演奏は本当に素晴らしいし、聞き手を感動させるだけのものを持っていると感じる。だからこそ、シューマンが思い描いた姿(注)で表現して欲しかったと思う。シューマンの思いがもし編曲によって削られてしまったとしたら非常に惜しいので。

(注)誤解を避けるために書くが、思い描いた姿というのは決して原典回帰や当時の演奏スタイルを再現することを指しているのではない。初演当時の音を再現することが目的になってしまった音楽ほどつまらないものはない。いくら時代考証を重ねて当時の演奏スタイルを真似てみたところで所詮真似に過ぎない。演奏家が何を表現したいのかということが聞き手にきちんと伝わってこなければ、意味がないと思うから。

第1番&第3番のセットがいずれ発売されると思う。発売されたら、多分買うだろう。

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2006年6月17日 (土)

パーヴォ・ヤルヴィのベートーヴェン

■ベートーヴェン 交響曲第3番/第8番
ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
(SACDとCDのハイブリッド収録、BMGジャパン(RCA))

最近主流になりつつある小編成でヴィブラートを控えた演奏。第3番と第8番が収録されており、リピートを行っているにも関わらず収録時間は70分を切っている。どの楽章も非常に速いテンポを採用しており、とてもきびきびした演奏になっている。

第3番の出だしを初めて聞いたときは「軽いな」と思った。しかし、聞き進むにつれて徐々に熱くなっていき、展開部からコーダにいたる部分の盛り上がりは実に見事。最初はおとなしかったバロック・ティンパニも徐々に存在感を表し実に効果的に使われていると感じる。コーダで高らかに金管が主題を演奏する部分があって、この部分を途中から金管が脱落させ木管楽器を浮き上がらせている(最近の演奏はみんなこんな感じになっている・・・ベーレンライター版の譜面が実際どうなっているのか一度見てみたいのだが・・・)が、ここの処理は見事に決まっており、弱弱しさがない。第2楽章もかなりテンポは速いがクライマックスへ向かっての盛り上がりの作り方はすばらしい。第4楽章で弦楽四重奏のように演奏される部分があってちょっとびっくり。

第8番は第3番以上にスピード感がある。第1楽章出だしからティンパニが力強く叩かれとても若々しい生命感溢れる演奏になっている。

ドイツ・カンマーフィルは優秀な奏者が揃っていると感じる。実に俊敏に反応するし、演奏精度を保つギリギリのところで演奏しているにも関わらず、危なさとかが全くない。ダニエル・ハーディングが指揮したブラームスの交響曲でもすばらしい演奏を展開していたが、それに勝るとも劣らない演奏。

全集化されると予定らしいので、ぜひ完結させて欲しい。

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2006年6月14日 (水)

N響定期

先週の金曜に久々に演奏会に行ってきた。
NHK交響楽団の定期演奏会。場所はNHKホール。

演目はシューマンの交響曲第1番と第4番。クララ・シューマンのピアノ協奏曲。
指揮はN響ではすっかりおなじみになった準・メルクルさん。

なかなかいい演奏会だったと思う。第4番で初稿版が取り上げられたのにはびっくりさせられたが、当時の演奏を再現するだけに終始することが無かったので、楽しく聞くことが出来たと思う。第1番もよかった。特に弦楽セクションは充実していたように思う。ピアノ協奏曲は、演奏者には悪いのだけど眠くて仕方がなかった。悪い演奏ではなかったのだと思うが、作品に共感できなかったので・・・。どうせなら有名な方のピアノ協奏曲が聞きたかった。

準・メルクルさんはとても人気があるみたい。終演後の盛り上がりも他の客演指揮者とはちょっと違う。実は私がいま最も注目している指揮者のひとり。音楽の解釈や人柄にとても好感が持てる。これからが楽しみだ。

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2005年8月 4日 (木)

ハーディングのブラームス

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■ブラームス:交響曲第3番、第4番 
ダニエル・ハーディング指揮ドイツ・カンマー・フィル(Virgin Classics)

少し前に話題になったCD。ブラームスのシンフォニーといったらベートーヴェン同様名演と呼ばれる演奏が数え切れないほどあるので、その中に割って入るのは大変なことだと思う。

CDのジャケットをご覧になっていただければ分かると思うのだけど、棒を振っているダニエル・ハーディングはまだとっても若い。調べてみたらなんと76年生まれ(!!)。私より4つも年下・・・。このCDが録音されたのが2000年から2001年にかけてなので一体何歳の時の録音なんだ??。ピアノとかヴァイオリンのソロであればもっと若い年齢でメジャーデビューしたって不思議ではない。

最近流行のピリオド・アプローチによるもの(楽器は現代のもの)で、オケも総勢50名ちょっとという非常にコンパクトな編成。弦楽器の音に厚みが感じられないのは不満だけど、管楽器とのバランスがうまく行っているので違和感はあまり感じない。ブラームスの交響曲ではこのタイプの演奏は比較的珍しいので、往年の名演に慣れた耳には非常に新鮮に聞こえる。内声の処理がとてもよくわかるので普段かき消されがちな音が活きて来るところがいい。

私は個人的には第4番の演奏が大変気に入った。作品そのものがすばらしいのかもしれないけれど、第2楽章の演奏が大変素晴らしくて、思わず涙が止まらなくなってしまった。不思議だ。非常にテンポが速く、素っ気無いとさえ思われても仕方がない、そんな演奏なのにそれでも心に突き刺さるものがある。これはやっぱり作品そのものの力なのだろうか?。

ブラームスの音楽は重苦しくて嫌だと思っている人なんかにはいいかもしれない。

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2005年7月28日 (木)

チャイコフスキーの弦楽セレナード

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■チャイコフスキー/ドヴォルザーク:弦楽セレナード
サー・コリン・デイヴィス指揮バイエルン放送交響楽団

チャイコフスキーの弦楽セレナードについては、知らない人はあまりいないだろうと思う。第1楽章の出だしはあまりにも有名(オー人事のCMとか)だ。どの楽章も親しみやすい旋律ばかりでクラシックをあまり聞かない人でも聞きやすい曲だと思う。この曲の録音ではカラヤン/ベルリン・フィル(ドイツ・グラモフォン)が有名だが、私はカラヤンの指揮に威圧感を感じるのであまり好きではない。小澤征爾/サイトウ・キネン・オーケストラ(フィリップス)のものもサイトウ・キネンの素晴らしい弦楽合奏が聞きものなのだけど、のっぺりした感じが強くて情感に乏しい。

ここで取り上げた盤は、今まで聴いた録音の中では最も素敵な演奏だと個人的には評価している。しっとりとした音色で聴き手に優しく語りかける感じがあって、とても心地が良い。お互い各パートの音を聞き合いながら弾く事がきちんと出来ていると思う。自然にこういう演奏が出来るオーケストラはあまり多くない。特に低弦の音色が素敵!。バイエルン放送響はベルリン・フィルの存在があるためいつも目立たないことが多いが、とても優秀なオケだと思っている。もっと評価されていい。マリス・ヤンソンスが音楽監督(首席指揮者?)に就任してどう変化するか楽しみだ。

併録されているドヴォルザークの弦楽セレナードも実はとても素敵な曲。第1楽章の旋律には懐かしさとか優しさを感じるし終楽章の盛り上がりもなかなか。

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2005年6月25日 (土)

刺激的なハイドン

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ハイドン:交響曲第82~87番『パリ交響曲集』

1.交響曲第87番イ長調Hob.I-87
2.交響曲第85番変ロ長調Hob.I-85『王妃』
3.交響曲第83番ト短調Hob.I-83『めんどり』
4.交響曲第84番変ホ長調Hob.I-84
5.交響曲第86番ニ長調Hob.I-86
6.交響曲第82番ハ長調Hob.I-82『熊』

ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
ニコラウス・アーノンクール(指揮)

レーベル:ドイツ・ハルモニア・ムンディ

ハイドンは実にたくさんの交響曲を残しているが、ベートーヴェンやチャイコフスキーのそれとは違って、あまり人気がない。わざわざお金を出してまでCDを買おう、演奏会に行こう、なんて思わない人も多いのではないだろうか?。私はハイドンの音楽にお金を払う価値なんて・・・と思っていた(ゴメンナサイ)。そんなこんなで、今までほとんどハイドンの作品に手をつけることが無かった。ベートーヴェンやマーラーの交響曲に関しては同曲異演のCDを数え切れないほど持っているのに・・・。

ジャケットの絵やCDのレーベル面は結構派手でユニークだ。それに釣られて買ってしまった。肝心の演奏だけど、外見以上に中身は個性的で斬新だ。ハイドンの作品は地味でつまらないという印象しか持っていなかったのだけど、そういう思い込みはかなり払拭された。クラシックの新譜で「買ってよかった」「聞いてよかった」って心の底から思うことができるCDは決して多くないが、これは最近買ったものの中ではひさびさのヒット作だ。

近年はハイドンとかモーツァルトの演奏をピリオド楽器やピリオド奏法で行うのが主流になりつつあるけれど、その中でもやっぱりアーノンクールのアプローチは独特だと思う。その分好き嫌いも激しくなると思うのだけど、私はこんなに面白い音楽はないと思う。聴き手を驚かし、挑発する。まるで聴衆に対して喧嘩を売っているかのようだ。速い楽章のスピード感も素敵だが、遅い楽章の陰影のつけ方も見事だと思う。

メリハリのある素晴らしい演奏。テンポが非常に速いのだけどリピートを徹底的に実行しているため、演奏時間はどれも比較的長くなっている。普通、リピートを徹底しすぎるといい加減聴く側がうんざりさせられるものなのだけど、この演奏に限ってはそれは無いと断言してもよいかもしれない。

難を言うなら、長時間聞き続けるとちょっと疲れる。でも、病み付きになる。他の演奏家ではこうは行かないのではないかと思う。

アーノンクールは今年75歳になるという。普通なら定年で会社を辞め家でのんびり過ごしている世代だけど、指揮者にはそういう時期が訪れることはないのかなと思う。特にアーノンクールの場合は、年をとっても角が取れるということがないのだろう。アーノンクールの音楽を以前は受け入れるのにもっと苦労した。アクが強すぎたのだと思う。でも最近の彼の演奏には説得力のあるものがとても多く、奥が深い。何度聴いても常に何か新しい発見がある。ウィーンの聴衆から圧倒的に支持されるだけのことはあると思う。

万人向けではないけれど、刺激がほしい人にはいいかもしれない。

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2005年6月 5日 (日)

ジョシュア・ベルのチャイコフスキー

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■チャイコフスキー
ヴァイオリン協奏曲ニ長調 op.35
『なつかしい土地の思い出』- 瞑想曲
『白鳥の湖』- ロシアの踊り
憂うつなセレナード 変ロ短調 op.26

ジョシュア・ベル(vn)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
マイケル・ティルソン・トーマス(指揮)

大好きなチャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルトが入った新譜が登場した。一体これまで何種類の演奏を聴いてきたか分からないが、不思議なくらい感動できる演奏は少ない。いつも大きな期待を篭めて封を開き、数分聞いてがっかりすることが多い。今回はどうだろうか?。

ジョシュア・ベルの演奏を聴くのはこれが初めて。チャイコフスキーのコンチェルトのレコーディングはこれが2度目になる。1度目はクリストフ・フォン・ドホナーニ率いるクリーヴランド管弦楽団との共演で英DECCAからCDが出ている(実は最近再発売されたのを購入しているのだけど、まだ封を開いていない)。今回はマイケル・ティルソン・トーマス(MTT)指揮ベルリン・フィルとのライヴレコーディング。

とにかく美しく清楚な演奏だと思う。比較的線の細い音を出すタイプのソリストだと思うが、弱々しいという印象は全くない。かなり遅めのテンポを採用しているので、一つ一つの音符が非常に大事に扱われている印象が強く、私の好みの演奏。逆にハイフェッツの演奏の様に技巧を前面に押し出す感情を排した演奏は苦手だ。

第1楽章のオケとの掛け合いは実に見事で、オケの音はとても強力だが決してソリストの音をつぶしてしまうことが無くとてもよくコントロールされていると思う。最大の聴き所はやはり第1楽章のカデンツァで、聴き手が息を呑んで演奏を見守るといった感じがしっかりと伝わってくるところが素敵だ。抑制が効いていているにも関わらず緊張感がある。カデンツァが終わってフルートがそっと入ってくるところがまた美しい!

第2楽章は短い間奏曲。木管楽器とヴァイオリンの掛け合いがとても美しくて、オケがベルリン・フィルでよかったと思う。第3楽章はひたすら突っ走る感覚が強い楽章だけど、スピードを競うような演奏には陥っていなくて、細かいところにとても気配りがなされていると思う。もう少し羽目を外してもいいのでは?と思ったりもするが・・・。ライナーノーツに"終楽章で伝統的に行われているカット云々"という記載があるが、私はそれがどこか全然分からなかった。終楽章の一番最後はオーケストラと一体となって大変な盛り上がりを見せる。終演後の拍手入り。

このCDはなかなかの優秀録音だ。ライヴ録音であるにも関わらず残響が豊かで自然な仕上がりになっている。音の減衰がこんなにきれいに録られた録音は少ないのではないかと思う。ただ、録音レベルが低いのでオーディオ装置の音量を上げる必要がある。

(追記)
でも、やっぱり一番好きな演奏とはならなかった。ファースト・チョイスはちょっと意外かも知れないが、諏訪内晶子さんのモスクワでのライヴで、チャイコフスキーコンクールの時のもの。傷が多いしオケの音はしょぼいし、録音は最悪で聴衆のノイズも多い。でも、こんなに感動できる演奏は他にない。初心は大事だと思う。諏訪内さんもこの曲を再録音しているが、全然魅力的ではない。

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2005年5月21日 (土)

内田光子のベートーヴェン

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ベートーヴェン/ピアノ協奏曲全集
内田光子(p)/クルト・ザンデルリンク(指揮)
コンセルトヘボウ管弦楽団[第3番、第4番]
バイエルン放送交響楽団[第1番、第2番、第5番]

久々にベートーヴェンのピアノ協奏曲を聴いた。実に素晴らしい演奏!。内田光子さんのピアノももちろん素敵なのだけど、このディスクではそれ以上にオーケストラの演奏が光っている。指揮はクルト・ザンデルリンク。内田が最も信頼する指揮者の一人だそうで、このベートーヴェンを録音するときにはザンデルリンク以外には考えられないと強く共演を望んだことで当時話題になった。彼女がそれだけの思いを抱いた理由は演奏を聴けばよく分かる。1枚目の第1番の序奏を聴いただけで、すぐに心が満たされる気分になった。暖かい気持ちになれる。そんな感じだった。内田のピアノがあまりインパクトが無いと感じるほどオケのサポートぶりが見事だ(決してオケが前に出ることはない。そういうことがないのだけど、耳がどうしてもオケの方に集中してしまう)。

数多くの名演がひしめく中で、とても印象に残った全集だ。輸入盤での再発売で価格は3枚組みであるにもかかわらず三千円を切っているのでとてもお買い得だと思う。

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2005年5月 5日 (木)

アバドのマーラー

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■マーラー/交響曲第6番
クラウディオ・アバド指揮ベルリン・フィル
(ドイツ・グラモフォン、インターナショナル盤)

この録音が市場に出回るのをどれだけ待っただろう・・・。アバドは胃がんの手術を受けたあと大変精力的な指揮活動を行っていて、とてもエネルギッシュな音楽を創りだすことに正直驚かされることも多かった(特にマーラーの7番やベートーヴェンの交響曲ティクルス...DVD-VIDEOの方...CDの方はダメ、ヴェルディのレクイエムなど)。なので今回の録音にはとても期待を抱いていた。

内容の方だが、結論から言えばちょっと・・・。ライヴ録音で最後の拍手も収録しあまり人工的な細工を加えない自然なイメージという一貫性は保たれている。しかし、第7番「夜の歌」で聞かれた様などこか吹っ切れた思いっきりのよさが欠けているようで、ややおとなしい演奏になってしまっていると思う。でも、音のまとまりは非常に良く万人向けの演奏に仕上がっているので、1枚のCDとして購入できる録音としては重要な位置に今後来るのではないかと思う・・・。第7番があまりにも素晴らしかったので期待ばかりが先行してしまっており、今は客観的な評価が出来ない。違う印象を抱かれる方がいてもそれは仕方が無いと思う(このCDは録音で少し失敗をしているような気がする。マーラーの第6番は終楽章に巨大なハンマーを振り下ろす場面が2箇所あって、物凄い音を出すことで知られているが、このハンマーの音を意識しすぎて全体の録音レベルが下がりがちになることが多い。この録音も例外ではない。)

この録音では第2楽章と第3楽章の入れ替えを行っている。また、一般的に付けられている『悲劇的』という表題がカットされているのも興味深い。一応ベルリン・フィルとこれまで行ってきたマーラーの録音は2番と4番以外(大地の歌や第10番があるが・・・)はすべて完了した。2番はウィーン・フィルとの新録音があるし臨時編成の音楽祭のライヴもあるので再録音は無いだろう。4番は古い録音になるがウィーン・フィルとの素晴らしい録音があるのでこれも?。どうせなら全集化して欲しいのだけど、ちょっと難しいのかもしれない。

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2005年3月10日 (木)

CDとか・・・

CDとかDVDとか・・・。

■ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調[原典版]
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
クリスティアン・ティーレマン(指揮)
(Deutsche Grammophon/インターナショナル盤)

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ティーレマンがレコード界にデビューしたときのドイツ・グラモフォンの宣伝は非常に派手だったのを今でもハッキリと覚えている。鳴り物入りのデビューだった。確か当時はカラヤンやクライバーと同じクラスの大物だと伝えられていたと思う。でも、今までに発売されたCDを見る(聴く)限り、悪いけどいい活動が出来ているとは思えないし、曲の解釈に関しても個人的には疑問に思うことが多かった。そんな印象がとても強かったので、今回の録音もあまり期待をしていなかった。

でもその薄い期待感とは裏腹に仕上がりはなかなかいいな...と感じている。ゆったりとしたテンポ(82分超で1枚のディスクに収まっているところがすごい)だが、特別遅いと言う印象は全く無い不思議な演奏(これは主観なので人によっては耐えられない遅さを感じ、退屈で仕方が無いと感じる人もいるだろう)。重心を低く構え、特定の旋律が上滑りするようなことが全くなく非常に重厚で安定感のある響きが得られている。この曲をリリースするに当たってミュンヘン・フィルを選んだのは正解だったのだろう。たっぷりとした残響があり、録音も優秀だと思う。

最近はブルックナーの録音が非常に増えてきている。聴く側も演奏する側も、ブルックナーを好む人が増えたように思う。

■マーラー:交響曲第6番《悲劇的》
テンシュテット指揮ロンドン・フィル
(東芝EMI/1991年11月ライブ)

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凄まじい演奏だ。おそらくこんなに激しい演奏は他には存在しないではないか?と思う。バーンスタインの演奏もすごいと思うのだけど、それとは違う次元の世界で起きていることのように聞こえる。ただ、聞いた後、とっても疲れる。くたくたになってしまう。音質は以前に発売されていたものに比べて良くなっているような気がする。

■ビゼー:歌劇『カルメン』全曲
カルメン:エレーナ・オブラスツォワ
ドン・ホセ:プラシド・ドミンゴ
エスカミーリョ:ユーリ・マズロク
ミカエラ:イソベル・ブキャナン
フラスキータ:チェリル・カンフシュ
メルセデス:アクセル・ガル
スニーガ:クルト・リドル
モラレス:ハンス・ヘルム
レメンダード:ハインツ・ツェドニク
ダンカイロ:パウル・ヴォルフルム
ウィーン少年合唱団
ウィーン国立歌劇場合唱団
ノルベルト・バラチュ(合唱指揮)
ウィーン国立歌劇場管弦楽団
カルロス・クライバー(指揮)
演出・装置・衣装:フランコ・ゼッフィレッリ
収録:1978年12月9日、ウィーン国立歌劇場(カラー&ステレオ)
(TDKコア/DVD-VIDEO)

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オペラをきちんと観るのはこれが初めて。どうしても好きになれないので、今まで一度も立ち入ることの無かった世界だ。でも、これは食い入るように演奏を演技を見入ってしまった。そのくらい素晴らしい舞台だと思う。会場の熱気はすごいもので、クライバーの人気の高さをうかがい知ることができる。演奏もノリノリで実にスリリングで熱い!。特に第2幕の盛り上がり方は半端ではなく、背筋がゾクゾクするような感覚に襲われる。

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2005年1月13日 (木)

ラトルのカルミナ・ブラーナ

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ジルベスターコンサートの録音が早くもリリースされた。また2週間も経っていない。

今年はサイモン・ラトルが指揮で、メインの演目はオルフのカルミナ・ブラーナだ。この曲はかつて小澤征爾さんが同じくジルヴェスターコンサートで取り上げている。晋友会合唱団というアマチュアの合唱団を率いて大成功を収めたことは知っている人も少なくないと思う(レコーディングもなされている)。ただ、日本の合唱団の発音にはやはり問題があったような・・・。

今回の録音にはかなり期待していたが結果的にはちょっと期待外れ。演奏はおそらく大変素晴らしいものだったのだと思う。でも、肝心の録音があまりよくない。大編成のオーケストラに多数の打楽器、合唱団と少年合唱団が加わる非常に迫力のある音楽なのに、その面白さが今ひとつ伝わってこない。

演奏そのものはなかなかいいのではないかと思う。とてもすっきりとまとまっていて泥臭さがない都会的なもの。意外に見過ごされがちなゆったりしたテンポの楽曲での一音一音をとても大切に扱っているところがいかにもラトルらしい。ただ、速いテンポの部分に関してはちょっと急ぎすぎとも思えるくらいの追い込みをみせ、聴き手を惹きつけるものがあってさすがベルリン・フィルだと・・・。特にティンパニが凄い!。

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2004年12月25日 (土)

マーラーの第3(シャイー/RCO)

■マーラー/交響曲第3番
リッカルド・シャイー指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

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さっきとりあげたシリーズの多分第9番の一つ前に録音されたもの。この交響曲は演奏時間が100近くもかかる大曲だが、演奏がよいので曲の長さがあまり気にならない。この演奏もやはり今年もっとも印象に残る演奏の一つになりそう。

第9番とは違ってこの作品は曲想が比較的明るい。非常にスケールの大きな音楽なのだけど、ソロ・パートが活躍する場面にたくさんの聞かせどころが作られている。シャイーはこの曲が持っている叙情性をかなり意識して表現しているように見える。気持ちがこもっていて、冷たいところがないのがいい。第1楽章の終結部や第5,6楽章の温もりのある表現がとても印象に残る。

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マーラーの第9(シャイー/RCO)

最近聴いたディスクから・・・。

■マーラー/交響曲第9番
リッカルド・シャイー指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

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ちょっと前にアーノンクールのブルックナーを今年聴いた中で最高のものと書いたばかりなのだけど、その見解を撤回したい(ちなみに某レコード誌主催のアカデミー賞を受賞した録音にはどれも共感できなかったことを付け加えておく)。マーラーの第9でバーンスタインの録音を超えるような説得力のある演奏が果たしてあるのだろうか?という疑問と、もうこんな重苦しい音楽は聴きたくないという思いがあって、このディスクを聴き始めるのに少し時間を必要とした。

第1楽章の出だしはとても穏やかで弦楽器の音には神経質すぎると思えるほど繊細な表現を要求している。第1楽章の演奏時間が30分にも及ぶのでかなりのスローテンポなのだと思う。でも、聴いてみたら実際には遅いと感じないのだ。ティンパニの皮が破れるほどの強打も、音が割れるほどの金管楽器の咆哮はこの演奏にはない。悲しさを外にばんばん放射することは決してない。だけど、妙に真実味があって、演奏が進むことを、時間が過ぎていくことを、聴き手が拒みたくなるような、不思議な体験をする。この傾向は全楽章で感じることができ、一貫性がある。第2,3楽章はオケの実力がしっかり現れた見事な演奏。ベルリンやウィーンでさえこれだけ纏まるか疑問だ。終楽章のアダージョは絶叫型ではなく、静かに告別の音楽を奏でているという印象がとても強い。だけど、不思議なほど説得力がある。

最近聴いたマーラーの第9番では、一番いい演奏だ。録音が非常に優秀だし、このご時世にライヴ収録をしていないのも好感が持てる。丁寧な音作りをした甲斐があるというものだろう。

これがシャイーとRCOのマーラー・ティクルスの最後になるのだろう。シャイーはRCOの首席指揮者の席を退くので、それまでに完成できて良かったと思う。そしてラスト(?)のレコーディングにふさわしい仕上がりだ。

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2004年12月 8日 (水)

ノリントンのチャイコフスキー『悲愴』

最近チャイコフスキーの悲愴交響曲の新譜が盛んに発売されている。最近聴いたものでは、ゲルギエフ/ウィーン・フィルのものとマリス・ヤンソンス/バイエルン放送響のものが印象的だった。

そして、ちょっと異色の録音がまた登場した。
ロジャー・ノリントン指揮シュトゥッツガルト放送響の録音。


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チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調Op.74『悲愴』
ワーグナー/ラインスドルフ編:『パルシファル』より交響的ハイライト
サー・ロジャー・ノリントン(指)シュトゥットガルト放送交響楽団

レーベル:Hanssler Swr Music


基本的にはノン・ヴィブラート奏法を貫いている演奏みたいだけど、そういうことがあまり気にならない(ただ、こういう奏法を選択することがプラスに働いていることは事実だ)。高い集中力が終始保たれていて素晴らしい演奏だと思う。こんなに豪快(重厚とはちょっと違う)な演奏に出会うのは久しぶり。シュトゥッツガルト放送響はあまり重厚な音を出すオケではないが、細かな表情付けの上手いオケだ。楽器間の音のバランスが徹底されていて、大音響に隠れてしまいがちな木管楽器や金管楽器の旋律もしっかり捕らえられている。曲の構造がハッキリと分かるような演奏だ。
『悲愴』という表題にあまり固執していないように見えるけれど、第1楽章の展開部の激しさや第2楽章の優雅さの中に見え隠れする悲しさがとても印象的だ。とても速いテンポを採用しているとどこかに書かれていたけれど、特別速いとは思わない。妥当なテンポなのではないだろうか?。演奏時間なんてどうでもいいと思う。

併録されているワーグナーの方は未聴。ワーグナーは苦手なのでパス。

ノリントンが指揮をした演奏を聴くのは初めてだけど、なかなかいいのではないかと思う。
このコンビで昨年発売になったベートーヴェンの交響曲全集は大変話題になったので、いつか聴いてみようと思っている。

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2004年11月26日 (金)

クライバーのブラームス(その2)

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ベートーヴェン/コリオラン序曲
モーツァルト/交響曲第33番
ブラームス/交響曲第4番

カルロス・クライバー指揮
バイエルン国立管弦楽団


この演奏はミスが多い。クライバーも若い頃とは違ってあまり元気が無い。
完成度は今ひとつかもしれない。だけど、一番説得力のある演奏。

ブラームスの4番は告別の音楽だと感じることが多いのだけど、この演奏はそういう傾向がとても強く現れているように感じる。こういう枯れた感じを出すのは意外と難しいのでは?。ウィーン・フィルではこうは行かなかったかもしれない。

特に...ブラームスの交響曲第4番の第2,4楽章は素晴らしい出来栄えだと思う。ウィーン・フィルと1980年に録音したCDと比べてもこちらの方が私は好きだ。

もうこの世には存在しない人なのだということを分かって映像をみているとより感傷的になってしまう。もっとたくさんの音楽をわれわれに聞かせて欲しかった。残念だ。

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2004年11月21日 (日)

クライバーのブラームス

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モーツァルト/交響曲第36番「リンツ」
ブラームス/交響曲第2番

指揮:カルロス・クライバー
管弦楽:ウィーン・フィル


カルロス・クライバーの数少ない映像作品の一つ。1990年代にウィーン・フィルの指揮台に立った非常に貴重なもの。ブラームスしか観ていないのだけど、第1楽章がとにかく素晴らしい!!。ブラームスの田園交響曲と呼ばれる2番なのだけど、ベートーヴェンの田園と比べるともっとスケールが大きく濃厚な音楽であることを思い知らされる。クライバーの指揮は全盛期に比べると身動きが小さくなってきてはいるが、楽員への細かい指示がしっかりと音に現れていて、手品でも見ているような感じだ。身動きだけ無駄に派手な指揮者はいくらでもいるが、皆出てくる音は実に平凡だ。これだけの音楽にはならない。少し残念なのは第4楽章が意外にこじんまりとしているところ。若い頃のクライバーならもっと激しい表現になったと思う。

多分クラシックを聴かない人にとってカルロス・クライバーという指揮者の存在はあまりなじみがないと思う。しかし、クラシックの世界ではとにかく特別な存在。これほど人気のある指揮者は他にはいないし、実力も同様。だけど、舞台に立つことをことごとく拒否し、滅多に人々の前に姿を現すことが無かったので、ファンにとっては幻の存在だったといってもいい。そして今年の夏に亡くなってしまった。私も彼の訃報には呆然とさせられた。朝のニュースを見ていて、食事が喉を通らなくなってしまったほど。

何枚かのDVD作品が年末にかけて再発売される。この1枚もその一つだ。昔に比べて価格も抑えられてきているので、比較的気軽に見ることができるのではないか?。特にベートーヴェンやシュトラウスのニューイヤーコンサート辺りはとても馴染みやすいのではないかと思う。私はまだ未発売のブラームスの4番(バイエルン国立管弦楽団とのライヴ・これはBSで放送されたもので、演奏の完成度は今ひとつだがこれほど聴いていて感動させられた演奏は今まで出会ったことが無い)を早く観たい。

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2004年11月 8日 (月)

アンスネス(ピアノ)のグリーグ/シューマン

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■グリーク&シューマン:ピアノ協奏曲
レイフ・オヴェ・アンスネス(ピアノ)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
マリス・ヤンソンス指揮
(東芝EMI)

ネットで探してみてもほとんど紹介されたためしがないこのディスク。
でも、聴いてみたらなかなかいい演奏だったので...。

グリーグとシューマンのピアノ協奏曲がカップリングされるケースというのは非常に多くて、どちらも幻想的な感じとかが似ているとかで(本当のところはどうなのかは?)一緒にされることが多いのかなと思う。グリーグの方は最近はあまり録音されなくなったが小さなCDショップでもクラシックの売り場があれば、置いてあることが多い曲だと思う。シューマンは今ひとつはっきりしない感じがつきまとうのだけど、それが悩める人の心を掴むみたいな(???)...ちょっと不思議な音楽。どちらもいい曲です。

アンスネスという人は初めて聴くピアニスト。男性的な打鍵がベルリン・フィルの音とよくマッチしていて聴き応えは十分。シューマンはもう少し柔らかい方がいいかなと思うけれど、全体の仕上がりはとても充実していて、不満な点がほとんどない。

久々にベルリン・フィルの力強い音が聴けて嬉しい。マリス・ヤンソンスとベルリン・フィルの相性はとてもいいみたいだ。

ただ、一つだけ許せない点がある。CCCDだということ。コピーしてばら撒こうにも貰ってくれる人なんて、近くにそうそういるものではないジャンルなのになんでこういうことをする?。幸いPC用のドライブでも認識したし、SonicStageでも無事取り込むことが出来たからよかったものの、出来なかったら金返せ!って言いたくなる。

それが原因で売り上げが減っているとしたら、アーティストがかわいそう。

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2004年10月31日 (日)

ゲルギエフの悲愴交響曲

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チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」
指揮:ワレリー・ゲルギエフ
管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

今年の9月にウィーンのムジークフェラインザールで録音されたばかりの新譜。このコンビで来日公演が予定されているので、それに合わせて発売されたみたいだ。収録されているのは一曲だけで収録時間はわずか44分。ちょっと物足りない。

チャイコフスキーの交響曲の中でも最高傑作と評価される「悲愴」は、非常にドラマティックでスケールの大きな音楽だ。交響曲というジャンルで終楽章にアダージョを配置したのはチャイコフスキーが最初だったのかもしれない。当時はその意外性に聴衆は驚いたらしいが、そういう形式上の問題を抜きにしても、とても美しい旋律が散りばめられているので、一度は聴いてみて欲しい曲だ。ただ、題名どおり全楽章に渡って悲愴感が見え隠れするので、明るい気持ちにはなれないことを断っておく。

このゲルギエフの録音には驚かされた。テンポや強弱にかなり自由な脚色が付け加えられていて、激性が非常に強い。第1楽章の中間部分からの爆発や第3楽章の猛突進は迫力満点だし、全楽章に渡って、弦楽器がとても存在感がある。さすがウィーン・フィルだ。ウィーン・フィルにはチャイコフスキーの音楽があまり向かないと思っていたが、こういう演奏に出会うとそういう先入観も吹き飛んでしまう。

全体的にかなり速いテンポで進行している。ちょっと速すぎ?。せかせかした感じや、描写不足、旋律がぼやける、・・・といった部分も無いことはない。何故こんなに急ぐのですか?と訊ねたくなってしまう。

それはともかく、終楽章は泣けた。

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2004年10月25日 (月)

ラフマニノフ/シューベルト

昨夜、タワーレコードでCDをいろいろと見て廻ったのだけど、目新しいアイテムが全然ない。非常につまらない状況だった。

買ったのは次の二つ。

■ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第3番
ピアノ:エフゲニー・キーシン
オーケストラ:ボストン交響楽団
指揮:小澤征爾

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発売当初大変話題になった録音。ラフマニノフの音楽の中でも1番好きな作品がこのピアノコンチェルトの3番なので聴くのが楽しみだった。。ラフマニノフのピアノ曲はどれも高度な技巧を要する難曲ばかりだが、この作品はその中でも最も難しい部類に入るだろう。だが、この曲の魅力は技巧面ではなく、ラフマニノフ特有のロマンティシズムにあって、大変美しい音楽だ。

素晴らしい演奏だと思う。特に第1楽章のカデンツァと第3楽章の後半部の盛り上げ方は実に見事。第1楽章のカデンツァは長いほうのヴァージョンを用いていて、大胆な打鍵で壮大なクライマックスを作ることに成功している。第3楽章はテクニックの見せ所が非常にたくさんあるのだけど、あまり技巧性を感じさせない弾き方をしている。そして、やはり楽章の後半に重点を置いて、大きな盛り上がりをつくって曲を閉じる。

ただ、この録音には大きな不満があることも付け加えておきたい。音が小さいのだ。音像がぼやけ気味でホールの後ろの方で聴いているみたいな印象を受ける。綺麗だと感じる部分もあるので、演奏をする側があえて抑制しているのかもしれない。たとえそうなのだとしても、ちょっと感心しない録音だ。

■シューベルト/ピアノ曲集(8枚組み)
ピアノ:内田光子

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ボックスセットで一気にプライスダウンされた。すでに全てのディスクを持っているのだけど、傷が多いので買いなおすことにした。

評論家の間でも大変高く評価された録音。

いくつかの録音を再度聴いたのだけど、やっぱり素晴らしい。ウィーン・ムジークフェラインザールで収録されていて、美しい録音も魅力。比較的悲観的な解釈で弾かれているので、転調する場面ではふっと涙が出てくるようなことも少なくない。

これは好みの問題なので、聴き手によって評価は分かれるのではないかと思う。

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